最低賃金が過去最大の引き上げ!価格改定を成功させる“付加価値”のつくり方

矢野 敦子の写真 矢野 敦子
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最低賃金が過去最大の引き上げ!価格改定を成功させる“付加価値”のつくり方

最低賃金の改定で人件費がアップ…
コース価格を上げるなら、納得してもらえる「付加価値」の提案がカギ!

2025年10月から、最低賃金が全国平均で1,118円に引き上げられる見通しとなりました。
これは前年から+63円(上昇率6.0%)という、昭和53年度以降最大の引き上げ幅

整骨院・鍼灸院の現場では、受付さんやアシスタントさんなど、時給で雇っているスタッフの人件費が確実に上がるだけでなく、最低賃金スレスレで月給計算しているスタッフに対しても給与の見直しが必要になるケースがあります。

たとえば、月給制であっても所定労働時間で割った時給換算額が最低賃金を下回っていれば、法的に給与の引き上げが求められるため、固定給のスタッフも対象になります。

つまり、「うちは時給制スタッフはいないから大丈夫」では済まないのが、今回の改定の厄介なところ。
1人あたり月1万円以上の負担増になるケースもあり、このままでは院の利益を圧迫しかねません。

目次

値上げは悪じゃない。でも、ただ値上げするだけではダメ。

人件費の増加に対応するため、コース価格を見直すことは正当な経営判断です。

しかし現場ではよく、
「値上げしたらお客様が離れるのでは…」
「今の価格でギリギリ来てくれている人もいるのに…」
という声が聞かれます。

実際、メニュー表だけ変えて値上げを行うと「え? なんで上がったの?」と不信感につながることも。
だからこそ、“値上げ=サービスの質が上がった”と納得してもらえる“付加価値”の提案がとても大事なんです。

価格改定を受け入れてもらうための「付加価値」5つの提案

① セルフケアの提案で「通っていない時間」もサポート

施術後のアドバイスを、紙の資料や動画で提供するだけで「この院は来ていない時間もサポートしてくれる」という印象を与えられます。

LINEやメールで簡単に送れる内容にすれば、手間も少なく、お客様の満足度もアップ。

② 会員制・定額制で“得した気持ち”をつくる

例えば1回5,000円の施術を月4回受けている人には、「月額18,000円の定額プラン」を提示することで、
価格改定を“割引の形”で受け入れてもらえます。

お客様には「得した!」という気持ちが、店舗側には「継続来院」の仕組みが残る、Win-Winな仕組みです。

※利用頻度によっては、1回あたりの単価が上がるケースもあるため、お客様には“お得感”がありつつ、院にとっては実質的な価格改定と同等の効果が期待できます。 

③ 空間のクオリティアップで“体験価値”を高める

施術室の香り、照明、BGMを見直すだけでも「ちょっと特別な空間だな」と思ってもらえます。
価格とサービスの“ギャップ”を感じさせないためには、空間や接遇の印象も重要な付加価値になります。

④ 施術の“見える化”で安心と納得感を

施術記録を残して、次回来院時に「前回はここが張ってましたよね」と伝えることで「 ちゃんと自分の状態を見てくれてる 」という安心感につながります。

ワンモアハンドのカルッテ機能を活用すれば、予約・記録の一元管理ができて業務効率もアップ!
お客様にとっても、自分の状態が可視化されることは大きな価値になります。

⑤ アフターサポートで“つながり”を継続

施術後にLINEで「調子はいかがですか?」とひとこと送るだけでも、「気にかけてくれてる」と感じてリピートにつながります。

システム化しなくてもできるこのフォローが、 価格以上の満足につながるケースはとても多いです。

値上げの伝え方で差が出る

どれだけ工夫しても、最後に大事なのは「伝え方」。

「スタッフ体制を維持し、より良い施術を提供し続けるために、一部価格を改定させていただきます。
それに伴い、セルフケア動画やアフターサポートなど、新しい取り組みも始めます。」

こんなふうに、背景と新たな価値をセットで伝えることで、「ただの値上げじゃないんだな」と納得してもらえる確率がぐんと上がります。

まとめ

  • 2025年10月からの最低賃金改定は、整骨院・鍼灸院にとっても人件費増という現実的な課題になります。
  • この課題を乗り越えるためには、価格改定だけでなく、お客様に納得してもらえる付加価値の提案が不可欠です。
  • セルフケア・会員制・空間演出・施術記録・フォロー連絡など、小さな工夫の積み重ねが“納得価格”をつくります。
  • そして、ワンモアハンドカルッテのような予約・記録・分析を一元化できるツールを活用することで、効率も価値もさらにアップ!

価格を上げることは、悪いことではありません。
でも、「その価格でも通いたい」と思ってもらえる理由づくりがとても大切。

この最低賃金改定を、「価値を見直すきっかけ」として前向きに活用していきましょう!

矢野 敦子の写真
著者:矢野 敦子

株式会社クロスリンク代表取締役 兼 マッサージコンシェルジュ®️

新卒で凸版印刷株式会社に入社し営業職に従事。途中、株式会社博報堂へ出向し大手自動車会社のプロモーション戦略の企画立案から実施までを行う。

その後、株式会社エムアウトに参画。新規事業の立ち上げを経験したのち、2010年に株式会社クロスリンクを設立。2012年に株式会社エムアウトからMBOを実施し、現在に至る。

2022年度東京女性経営者アワード「持続経営部門」受賞

【公式】X(旧:Twitter)

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