なぜいま整骨院業界にDX化が必要なのか― 生き残り戦略としての「患者中心型経営」の再構築 ―

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なぜいま整骨院業界にDX化が必要なのか― 生き残り戦略としての「患者中心型経営」の再構築 ―

かつて整骨院の価値は「技術」にありました。
痛みを和らげ、可動域を広げ、患者の身体を整える。
その技術力こそが競争力の源泉であり、「口コミ」や「紹介」によって患者が集まる時代が長く続いてきました。

しかし、今、整骨院業界はかつてないほどの転換点を迎えています。

少子高齢化による患者層の変化、保険制度の見直し、そしてコロナ禍以降に加速した生活様式のデジタルシフト―これらの要因が重なり、従来の運営スタイルでは「気づかないうちに患者を失う」リスクが高まっています。

目次

■ 見えない失客 ― 潜在的な機会損失の正体

整骨院が直面している最大の課題は、「潜在的失客(見えない失客)」です。

例えば、初回来院後にリピートが途絶えた患者、予約を取りづらく感じて離脱した患者、あるいは来院体験が「他と同じ」と感じて別の院に流れた患者―これらは数字には現れにくい「静かな離反」です。

この潜在的失客が積み重なると、売上の減少だけでなく、地域内でのブランド力低下にもつながります。なぜなら現代の患者は、単に「痛みを取る」だけでなく、「自分に寄り添ってくれる治療体験」を求めているからです。

すなわち、整骨院が今取り組むべきは「施術の技術競争」から「患者体験の最適化」への転換なのです。

■ 患者のニーズ構造の変化

患者が整骨院を選ぶ基準は、今や「距離」でも「価格」でもなく、「信頼性と利便性」です。
近年の市場調査によれば、患者が整骨院を選ぶ際の第一要素として「予約の取りやすさ」「説明のわかりやすさ」「対応の丁寧さ」が上位を占めています。

これはつまり、「デジタル化による接点強化」が患者満足度の中心にあるということを示しています。

例えば、スマートフォンで簡単に予約が取れる、来院前にLINEで症状を相談できる、施術後のアフターフォローが自動メッセージで届く―こうした小さな利便性の積み重ねが、患者に「この院は自分を大切にしてくれる」という心理的安心を与え、結果としてリピート率を高めるのです。

■ DX化は「効率化」ではなく「患者救済の拡張」

整骨院業界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が広がりつつありますが、その本質は単なる効率化ではありません。

本来のDXとは、「人を中心に据えた価値の再構築」です。
つまり、業務を効率化することでより多くの患者を救う時間を生み出すことにあります。

受付業務や会計、予約管理、電子カルテなどのデジタル化により、スタッフは「人にしかできない仕事」に集中できるようになります。
患者とのコミュニケーションに時間を割き、治療計画の説明や生活指導を丁寧に行うことで、患者の信頼と満足度が深まるのです。

売上を最大化するとは、単に「回転数を上げる」ことではなく、「1人でも多くの患者を継続的に支える仕組みを整える」こと。

DX化はそのための「第二の施術技術」と言えるでしょう。

■ 生き残る整骨院の条件:データを活かす院経営

成功している整骨院には共通点があります。
それは、「データを経営判断に活かしている」ことです。

再来率、平均単価、予約キャンセル率、施術満足度などのデータを可視化することで、どの患者層に課題があるか、どの施術メニューが強みになっているかを分析できます。

データに基づく改善サイクル(PDCA)が回せる院は、感覚的な経営から脱却し、確実に患者数・売上を伸ばしています。
逆に、データを持たずに「なんとなく」で経営を続けている院は、市場変化への対応が遅れ、気づけば競合に差をつけられてしまいます。

■ 電子カルテと予約システムの連携がもたらす未来

DX化の入り口として最も効果的なのが「電子カルテ化」と「予約システムの導入」です。

電子カルテを導入することで、患者情報の一元管理が可能になり、症状の経過や施術内容をチーム全体で共有できます。

また、予約システムと連携させることで、施術スケジュールの最適化やキャンセル対策も自動化でき、無駄な空き時間が減ります。

これらの仕組みを取り入れることは、単なる「デジタル化」ではなく、「患者との信頼関係を深めるインフラ整備」でもあります。

整骨院経営において「人の温もり」と「デジタルの合理性」を両立させることが、これからの時代の“生き残り戦略”となるでしょう。

■ 結語:整骨院の未来は「技術」+「体験」+「データ」

整骨院が今取り組むべきDX化は、未来への投資であり、地域に選ばれ続けるための経営進化です。

「デジタルは冷たい」と考える時代は終わりました。
むしろ、デジタルを活用することで、患者一人ひとりにより温かく、より丁寧に向き合うことができる時代になっています。

技術と人情を武器に、データとシステムを味方にする。
それこそが、これからの整骨院が「選ばれ続ける理由」となるのです。

■ さいごに

整骨院業界におけるDX化は、単なる流行ではなく「生き残りの必然」です。

今こそ、院全体の業務を可視化し、患者一人ひとりに寄り添う経営へと進化するタイミングです。
弊社では、整骨院・鍼灸院・サロン向けに以下のシステムを提供しています。

  • 予約システム OneMoreHand
  • 電子カルテ Kartte

これらのツールを活用することで、現場の負担を減らしながら、より多くの患者を笑顔にできる体制を築くことができます。

整骨院の未来は、「技術」×「体験」×「データ」で作る時代です。
あなたの院のDX化が、地域の健康を支える力になりますように。

📌 詳しくはこちら
👉 https://pr.onemorehand.jp
👉 https://kartte.jp/

廣田 龍典の写真
著者:廣田 龍典

神奈川県川崎市出身。2025年11月末、パパになります。

2016年に新卒にて株式会社クロスリンクに入社。

求人サイト「キャリさぽ」、予約システム「ワンモアハンド」の営業として約10年間勤め、現在はエバンジェリストとして業界に向けての発信や提供システムの最適化に注力し活動中。


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