なぜ電子カルテは普及しないのか

石井 武の写真 石井 武
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なぜ電子カルテは普及しないのか

電子カルテは、多くの院で「必要だとは思うけれど、つい後回しになってしまう存在」になりがちです。
実際、院長先生からよく聞く声には、次のようなものがあります。

  • 操作が難しそうで、現場が混乱しそう
  • 日々の業務が忙しく、切り替える余裕がない
  • 今のところは紙カルテで困っていない
  • スタッフが使いこなせるか不安がある

どれも、もっともな理由です。無理に導入すべきものではありませんし、慎重になるのも自然な判断だと思います。

ただ一方で、これらはあくまで「目の前のハードル」を見たときの理由でもあります。
電子カルテがなかなか普及しない背景には、もう一段深い、構造的な要因が隠れています。

それは、電子カルテが
「日々の業務をどう楽にするか」ではなく、
「これからの院経営をどう支えるか」という文脈で語られてこなかったことにあります。

目次

① 電子カルテが「経営の話」として語られていない

電子カルテの説明は、多くの場合こう始まります。

  • ペーパーレスになります
  • 記録が楽になります
  • 検索できます

つまり「作業が楽になる話」です。
しかし現場から見ると、導入直後はむしろ入力の手間が増える。
この時点で、期待と現実がズレます。
本来、電子カルテがもたらす変化は別のところにあります。

電子カルテを入れると何が良いのか

  • 記録が個人のメモではなく「院の資産」になる
  • ベテランの暗黙知が、少しずつ言語化される
  • 「誰がやっても一定水準」を作りやすくなる

電子カルテは、作業を楽にする道具ではなく、再現性を作る経営ツールです。
この視点が語られない限り、価値は伝わりません。

② “記録するだけ”のカルテで止まっている

  • 入力する
  • 保存される
  • たまに見返す

で終わっている院は少なくありません。

これでは紙カルテと本質的に変わらないですが、
カルテは本来、

  • 誰が
  • 誰に
  • 何をして
  • どう変化したか

という経営データの集合体です。

活用できるようになると

  • 施術内容と結果を比較できる
  • 成果が出ているパターンが見える
  • スタッフ育成を感覚論から切り離せる

カルテが「記録 → 振り返り → 改善」のループに入った瞬間、院の成長速度が変わります。

③ 「忙しい院ほど不要に見える」という逆説

予約が埋まり、売上も安定している院ほど、電子カルテは後回しにされがちです。

  • 今は困っていない
  • 変えるリスクを取りたくない

この判断自体は、合理的にも見えます。
ただしそれは、今の成功が特定の人や特定のやり方に強く依存しているという裏返しでもあります。

電子カルテがあると

  • 院長が現場を抜ける選択肢を持てる
  • スタッフ交代時の引き継ぎ事故が減る
  • 多店舗化・法人化の判断が現実的になる

電子カルテは「今を楽にする投資」ではなく「未来の選択肢を残す投資」です。
忙しい院ほど、本当は効果が大きい領域です。

④ 目的が共有されていない

電子カルテ導入がうまくいかない現場では、こんな構図がよく見られます。

  • 経営側:管理したい
  • 現場側:入力が増えるだけ

目的が共有されないまま導入されると、カルテは「やらされ仕事」になります。

目的が揃うと

  • なぜ書くのかが明確になり、記録の質が変わる
  • 教育・指導が感情論になりにくくなる
  • 現場と経営の会話が同じ言葉でできる

電子カルテは管理ツールである前に、共通言語を作るツールです。
ここが噛み合った院から、定着していきます。

さいごに

電子カルテを入れたからといって、明日いきなり売上が上がるわけではありません。

ただ、スタッフの入れ替わりが起きたときや、院長自身が現場から一歩引くことを考え始めたとき、あるいは次の成長段階や多店舗化を見据えたタイミングで、「何を把握できているか」「何が再現できているか」経営の選択肢を大きく左右します。

派手ではない。でも、確実に効いてくる。
それが、電子カルテという投資です。

弊社では、ワンモアハンドと連携し日々のカルテ業務をサポートする電子カルテサービス「カルッテ」を提供しております。

単に記録を電子化するのではなく、現場で自然に使われながら、経営判断やスタッフ育成にもつながる機能を随時追加しています。

「今すぐ導入するかどうか」はさておき、これからの院経営を考える上で、電子カルテをどう位置づけるか。
その選択肢のひとつとして、カルッテを知っていただければ幸いです。

📌 詳しくはこちら
👉https://kartte.jp/

石井 武の写真
著者:石井 武

株式会社クロスリンク 取締役 CTO。

埼玉県出身。二児の父。

WebメディアやBtoBシステム、ECサイトなど、Web業界で15年以上にわたり、プロダクト開発、マネジメントに従事。

2023年に株式会社クロスリンクに開発責任者として入社し、プロダクト開発をリード。

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