無料サービスと有料サービス、どちらを選ぶかで院経営が変わる

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無料サービスと有料サービス、どちらを選ぶかで院経営が変わる

鍼灸院や整骨院を経営する上で、支出を抑えることは非常に重要です。
そのため、無料サービスを活用することは一見魅力的に映ります。特にITシステムや予約管理ツール、広告サービスなど、さまざまな無料オプションが市場に存在しています。

しかし、安易に無料サービスを選択することは、経営リスクを伴う可能性があります。本稿では、無料サービスと有料サービスのそれぞれのメリット・デメリットを掘り下げて考えてみたいと思います。

目次

無料サービスのメリット・デメリット

メリット

無料サービスを利用する最大のメリットは、コストが発生しないことです。特に新規開業時や資金的な余裕がない場合、無料で利用できるサービスは非常に助かります。

また、無料サービスの中には、基本的な機能だけで十分に活用できるものもあります。例えば、簡単な予約管理や簡易な広告ツールなど、初期段階の運営では必要最低限の機能で十分な場合も多いです。

さらに、無料で利用できる分、サービスが気に入らなかったり、自分の院に合わなかった場合でも、切り替えがしやすいという点も挙げられます。無駄なコストをかけることなく、新しい選択肢を試すことが可能です。

デメリット

一方、無料サービスには大きな落とし穴があります。その一つが、突然のサービス終了リスクです。

無料サービスは、ユーザーから直接的な収益を得ていないため、提供者側が事業を継続できなくなった場合、あるいは収益構造の変更を行った場合に、事前の通知なく突然サービスが終了することがあります。

例えば、患者様が利用する予約システムを無料のツールで運営していた場合、ある日突然そのサービスが終了してしまったとします。そうなると、予約情報や患者様の個人データがすべて失われるだけでなく、予約自体が入らなくなることで売上が大幅に減少するリスクがあります。患者様にとっても非常に不便を強いる結果となります。

また、無料サービスは一般的にサービス改善の優先度が低い傾向にあります。なぜなら、利用者から料金を徴収していないため、提供者側が改善に投資する資金が確保できないことが多いからです。

その結果、システムが古くなり、他の競合サービスに比べて利便性が劣るようになる可能性があります。特に、IT技術が進化する中で改善が行われないと、患者様が利用しにくいと感じ、離脱につながるリスクも高まります。

有料サービスのメリット・デメリット

メリット

有料サービスには、無料サービスでは得られない多くのメリットがあります。

有料サービスの場合、契約が締結されるため、サービスが終了する場合には事前に告知されることがほとんどです。これにより、事業運営に必要な準備期間を確保することが可能です。予約システムであれば、データを他のシステムに移行するなどの対応ができるため、患者様に不便をかけるリスクを最小限に抑えられます。

また、有料サービスは利用者が対価を支払うことで成り立っています。そのため、提供者側も利用者満足度を維持するために日々サービスの改善を行います。例えば、予約システムの場合、使いやすいユーザーインターフェースへの更新や、新しい機能の追加が期待できます。これにより、院の運営効率が向上し、患者様の利便性も高まります。

さらに、有料サービスには専用のサポート体制が整っていることが多い点も見逃せません。トラブルが発生した際に迅速な対応を受けることができるため、問題解決までの時間を大幅に短縮できます。

デメリット

もちろん、有料サービスにもデメリットはあります。最大のハードルはコストです。特に中小規模の院にとっては、毎月の固定費が増えることが負担になる場合があります。

したがって有料サービスを選択する際には、慎重なリサーチが必要です。費用対効果が低いサービスを選んでしまうと、コストばかりがかかり、期待する結果が得られないことがあります。有料サービスを導入する際には、自院のニーズや予算をしっかりと考慮する必要があります。

まとめ

無料サービスと有料サービスには、それぞれ一長一短があります。
無料サービスはコストを抑えられる反面、突然のサービス終了や改善の期待薄といったリスクがあります。一方、有料サービスはコストがかかるものの、安定性や改善、サポート体制といったメリットがあります。

院経営においては、単純に"無料"だから選ぶのではなく、そのサービスが院にとってどのような価値を提供するのかを慎重に見極めることが重要です。有料サービスは一見コストに思えますが、それが運営の安定性や患者満足度向上につながるのであれば、立派な"投資"と言えるでしょう。

日々の経営判断において、短期的なコスト削減ではなく、長期的な視点でのメリット・デメリットをしっかりと考慮し、院と患者様の双方にとって最適な選択をしていきましょう。

矢野 敦子の写真
著者:矢野 敦子

株式会社クロスリンク代表取締役 兼 マッサージコンシェルジュ®️

新卒で凸版印刷株式会社に入社し営業職に従事。途中、株式会社博報堂へ出向し大手自動車会社のプロモーション戦略の企画立案から実施までを行う。

その後、株式会社エムアウトに参画。新規事業の立ち上げを経験したのち、2010年に株式会社クロスリンクを設立。2012年に株式会社エムアウトからMBOを実施し、現在に至る。

2022年度東京女性経営者アワード「持続経営部門」受賞

【公式】X(旧:Twitter)

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