「整骨院・接骨院サブスク」導入で時代の変化に対応

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「整骨院・接骨院サブスク」導入で時代の変化に対応

時代が進むにつれ、さまざまな業界でサブスクリプション(通称:サブスク)という概念が広がりを見せています。
音楽や映画、ソフトウェアの利用だけでなく、近年では整骨院や接骨院といった医療・ヘルスケア分野にも「サブスク」が進出しており、定期的に健康維持や体のメンテナンスを受ける新しいライフスタイルの提供手段として注目を集めています。

整骨院・接骨院経営者の中にも、すでにサブスクの導入を検討されている方、関心をお持ちの方が増えているのではないでしょうか。
ここでは、整骨院・接骨院のサブスク導入におけるモデルの種類、メリットやデメリット、成功のためのポイントや注意点について、詳しく解説していきます。

目次

1.整骨院・接骨院におけるサブスクの種類

整骨院・接骨院におけるサブスクには、主に次のようなモデルがあります。
それぞれのモデルの特徴を理解し、院のコンセプトやターゲットに合ったサブスク形式を選ぶことが大切です。

  • 回数券モデル
    回数券モデルは、おそらく最も親しみやすいサブスク形式でしょう。
    例えば、3回や5回といった複数回分の施術を割引価格で購入してもらい期限内に利用する形です。
    このモデルは初来院の患者様や急性の症状が出た患者様に最適で、患者様が通院をためらうことなく続けやすいメリットがあります。
    また、回数券に有効期限を設けることで、計画的な通院を促進できるでしょう。

  • 回数制限モデル
    このモデルでは、1ヶ月に通える回数を限定し、割安な月額料金で提供します。
    たとえば、月に4回まで通院可能なパッケージや、月に8回まで利用できるプランなどがあります。
    施術頻度がある程度決まっている方には、毎回都度払いで通うよりも経済的に通いやすくなるため、患者様にとってもわかりやすく、リピートにつながりやすいモデルです。

  • 会員モデル
    会員モデルでは、事前に会員費を支払った患者様のみが施術を受けられるシステムです。
    大手の外資系スーパーの例に倣うように、院独自の会員限定の施術や特典を提供することで、患者様が「特別な一員である」と感じやすくなり、リピート効果が期待できます。
    ただし、ターゲットの明確化とブランドの構築が必要ですので、会員にとってのメリットを明確にすることが重要です。

  • 通い放題モデル
    定額で回数無制限に施術を受けられる通い放題モデルは、通院頻度の多い患者様に最適です。
    症状が重く頻繁なケアが必要な患者様にとって、コスト面でもメリットが大きく通院意欲の向上が期待できます。
    しかし、提供側の負担も大きくなるため、施術計画に基づいた適切な料金設定と提供条件の整備が不可欠です。

2.整骨院・接骨院でサブスクを導入するメリット

サブスクを導入することによって得られるメリットは少なくありません。
以下に、特に期待できる効果をあげます。

  • 収益の安定化
    サブスクによる定期収入が確保できるため、従来の都度払いモデルに比べて売上の安定性が増します。
    特に会員数が一定数に達すれば、競合の影響を受けにくくなり、より安定した経営が見込めるでしょう。

  • リピート率の向上
    患者様が計画的かつ定期的に通院することで、症状の改善や健康維持をより実感してもらいやすくなります。
    また、会員モデルや通い放題モデルでは、施術のたびに支払いを行う必要がないため、通院への心理的なハードルが下がり、リピート率の向上につながります。

  • 患者様との関係強化
    サブスクは患者様と整骨院・接骨院のつながりを深めるきっかけになります。
    特に、定期的に通院してもらうことで、症状の進捗や変化を確認しやすく、患者様にとってより適切なケアを提供できるでしょう。
    これは患者満足度の向上に大きく貢献し、信頼関係の構築につながります。

3.整骨院・接骨院でサブスク導入するデメリットと課題

サブスク導入には、多くの利点がある一方で、注意すべきデメリットや課題も存在します。

  • 管理の手間とコスト
    回数券や通い放題などのサブスクを提供する場合、予約管理や回数・有効期限の確認といった事務作業が増加します。
    また、施術の頻度が多い患者様が増えると、施術スケジュールが逼迫する恐れもあるため、スタッフの負担も考慮しなければなりません。

  • コストの設定
    通い放題モデルなどでは、予想外の利用頻度が生じることもあります。
    通いすぎることで収益が減少してしまう可能性もあるため、適切な料金設定が重要です。
    これには、院のリソースや平均的な利用頻度に基づいた慎重な計画が求められます。

4.整骨院・接骨院でサブスクを成功させるためのポイント

サブスクの成功は、患者様のニーズに合ったプランを提供できるかどうかにかかっています。
ここでは、サブスクを整骨院・接骨院で成功させるための具体的なポイントを解説します。

  • 患者様のニーズに合ったプランを提案
    整骨院・接骨院のサブスク導入において重要なのは、患者様のニーズに応じたプラン設計です。
    たとえば、肩こりや腰痛の症状に悩む患者様には、頻度を重視した回数制限モデルを提案するのが有効です。
    逆に、体のメンテナンスを目的に通いたい患者様には回数券や会員モデルが適しています。

  • 患者様にとってのメリットを明確に説明
    患者様がサブスクの利用に興味を持つように、サブスク利用の経済的なメリットを具体的に示すことが効果的です。
    通常の都度払いとの料金比較を視覚的に示したり、サブスク利用者の事例を交えたりすると、患者様の理解を得やすくなります。

5,整骨院・接骨院でのサブスク導入時の注意点

最後に、サブスクを導入する際の注意点についても触れておきましょう。

  • 押し売りをしない
    サブスクは、患者様に無理強いする形で提案してはいけません。
    施術計画に基づいた自然な提案を心がけることで、押し売り感が軽減され患者様の信頼を得られます。

  • 理解度を確認しながら話を進める
    患者様の理解度に配慮して質問を挟みながら説明を行うと、契約後のトラブルを防ぐことができます。
    契約内容を丁寧に説明し、納得してもらってから契約してもらうことが長期的な信頼関係の構築につながります。

6.サブスクの導入で新たな一歩を

サブスクリプションは、患者様にとっても整骨院・接骨院にとってもメリットが大きい仕組みです。
しかし、その導入には慎重なプラン設計と、患者様のニーズや症状に合わせた柔軟な提案が求められます。

患者様が安心して利用でき、長く通い続けてもらえるサブスクモデルを目指し、
ぜひ整骨院・接骨院の収益の安定化と患者満足度の向上をさせましょう!

山本 圭吾の写真
著者:山本 圭吾

株式会社クロスリンク 取締役。

新卒で株式会社USENに入社し営業職に従事。その後、株式会社リクルートに入社しHotPepperの営業に従事。通期表彰などを受賞。

2010年、株式会社クロスリンクに入社。営業、企画、人事と多岐に渡る業務を経験。2016年、同社の取締役に就任。現在に至る。

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